くらのえみこの活動報告

【2022.7.26】武蔵野市立保険センター増築及び複合施設整備検討の背景

現在、吉祥寺北町の武蔵野市立保険センターの増築及び複合施設整備が検討されています。




以下掲載の事業スケジュール(案)にあるように、

令和3年度2月のパブコメ・市民説明会、3月の市議会予算特別委員会、4月・5月・6月・7月と4回開催された有識者会議、6月28日に市議会全員協議会が開催されました。





今後は、スケジュール(案)にある、基本計画(案)策定→8月16日市議会全員協議会→パブコメ募集→基本計画策定→近隣説明会・市民説明会(8月~9月あたり)という流れになります。


スケジュール案が2パターン示されているのは、3月の予算委員会において、賛成多数で予算が可決された一方、「市民の生命と健康を守る保健・地域医療の充実に向けて、専門的知見の活用も含めた検討を重ねるとともに、基本設計の予算執行に当たっては、基本計画案の議会への報告等、議論を尽くす場を求める」と記載された「令和4年度武蔵野市一般会計予算に関する付帯決議に関する動議」が全会一致で可決したことにより、議員対象の全員協議会の開催や、8月頃のパブリックコメント、近隣・市民説明会の開催など段階を増やしたスケジュール案(上段の案)に改定されたためです。


しかしながら、全員協議会の意見や、住民説明会の意見は、参考に取り入れることはあっても、行政執行権を停止したり、大幅に変えることは、難しいという側面もあります。

議会の権限は議案への賛否を示すことであり、予算案は可決されています。

今後は行政の計画案にいかに意見を取り入れてもらえるかというところが要となるのではないかと思います。


さて、以上のような前提を踏まえつつ、今回は、「そもそもなぜ、武蔵野市立保険センター増築及び複合施設整備が検討されることになったのか」について整理したいと思います。


まず背景として、主に以下があげられています。


背景① 国の動き「こども家庭庁」設置検討

令和5年4月1日に設置される予定の「こども家庭庁」は、これまで文部科学省、厚生労働省、内閣府、警察庁などが所管していた子どもを取り巻く行政事務を集約することを目的としており、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充を主な目的としています。

具体的な動きとして、令和6年4月1日を施行期日とした、児童福祉法等の一部を改正する法律案の概要が示されており、そこでの改正の趣旨には、

「児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行う」とあります。改正の概要には、母子保健と児童虐待対策事業の連携が示されています。


そもそも母子保健と子ども支援は親和性が高いため、すでに両者の機能を一体化した施設を有する自治体がありますが、こども家庭庁の方針を受けて、機能を一体化した施設の検討を始めた自治体が新たに出てきています。

例えば、

<竣工済みの自治体>

・葛飾区 健康プラザかつしか

・日野市 生活保健センター  など


<現在策定中の自治体>

・東京都墨田区、群馬県伊勢崎市、埼玉県熊谷市、愛知県豊川市、大阪市八尾市、熊本県荒尾市  など


6月の全員協議会において、「武蔵野市の施設はどの自治体の施設を参考としているか」質問したところ、「葛飾区を参考にした部分がある」という答弁でありました。



背景② 現施設の老朽化

現在の武蔵野市立保健センターは、昭和 62 年の開設から 34 年が経過し、施設設備の老朽化が顕著となっている。すでに排水管の不具合による漏水、夏季期間における空調設備の不具合など、事業の実施にあたり様々な支障が生じており、市民の健康の保持・増進を図り、

疾病を予防するための公衆衛生の拠点施設であることからも建物を目標耐用年数(60 年)

まで使用するための大規模改修を早期に行う必要が迫っている。

しかし、保健衛生や母子保健事業(乳幼児健康診査など)等の機能を休止して改修工事を行うことができない施設であり、大規模改修をどのように行うかが喫緊の課題であり、様々な検討が行われてきた。最終的に、現在の保健センターの隣に、建物を本設にし、現在の機能を移動し維持する案を採用するという方向性が武蔵野市公共施設等マネジメント庁内推進本部会議において決定された。

さらに、現在の保健センターの建物については、解体または大規模改修のうえ利活用することが検討された。隣接地は、敷地面積や各種法的制限により現在の保健センターと同規模以上の床面積が確保できず、新型コロナウイルス対応等により新たに生じた課題に対応することができないため、隣接地を活用した増築による機能維持を行い、その後に既存施設の大規模改修を行い、利活用することにより課題解決を図ることで計画を進めることとなった。



背景③ 感染症対応の役割が増えた

昨今の新型コロナウイルス感染症への対応により新たに保健センターが担う役割が増えるとともに、既存の事業においても感染予防対策の空間確保等が必要となったが、現在の建物のみでは対応が難しく、市役所の会議室に機能を分散させる等、事業を進める上で支障となる状況が発生しており、施設面積を拡充する必要性が生じている。



以上、本市の保健センター増築及び複合施設整備が検討されることになった主な背景として言われている点です。


次は、保健センターの増築・複合施設整備によって、武蔵野市の地域医療がどうなっていくのかということについて書きたいと思います。